いのちの落語in盛岡(パート1)
2008年10月12日(日)、盛岡劇場メインホールにて、肺がんを体験した樋口強氏の第四回いのちの落語講演会が開催され患者さんやご家族など400名が来場しました。
樋口氏は43歳の時、悪性度が高く生存率が極めて低い小細胞がんに出会いました。手術と大量の抗がん剤治療で乗り越えたものの、全身のジビレの後遺症をかかえながら「日常の生活がリハビリ」と、のびやかに過ごしています。
現在は、執筆活動の傍ら「いのちの落語」をお供に全国はもとより、イタリア・ミラノでの講演も成功させ国内外でご活躍の中、この盛岡講演を毎年大切にして頂き今回で4回目を実現できたことをスタッフ一同とても嬉しく思っています。
今回の、講演会は医療関係者のご協力があり、闘病中の患者さん方からの問い合わせが多いのが特徴的でした。「治療中ですが行きたいんです。いいですか?」「状態が思わしくないのですが、本人がどうしてもというので家族が付き添います」「主人のかわりに聞かせてください」おひとりお一人の言葉に身が引き締まる思いと、講演会の成功に向けた準備にも気合いが入ります。
第一部は「生き方は自分がきめる」の、お題にのせまして二つ目の命をのびやかに生きる樋口氏が語ります。「なくなったものはもどりません。それに、あがくより目の前にある新しいものに気づいてください。生き方が変わります。」病気になり、体や心が傷つき、友人や家族、仕事、笑顔まで失う事がある中、樋口氏の言葉は心にズシリと落ちていきます。
第二部は、お楽しみの創作落語「病院日記」。普段、味わうことのない独特な舞台セットに出囃子で雰囲気は最高潮です。今回のお題は、なんと昨年と同じもの??医師が笑いを習得して一回の診療で患者さんを笑わさなければ医師免許が剥奪されかねないというお話。内容的にさらにバージョンアップし、舞台と会場が樋口氏の笑いのキャッチボールで一気に盛り上がります。リピータの方々も、ここでおちが来るぞ、と知りつつみなさんより笑いが大きいのにも驚かされました。
落語と語りで樋口氏が伝える「いのちの尊さ」。沢山の笑いと涙の中で、皆さんの表情が明るく、心穏やかになる様子が伝わってきます。
「来てよかった。今日の日にありがとう。みなさんにありがとう」(アンケートから)