報告1(2011.4.3)
昨日はじめて岩手県大船渡市の避難所の一つ「リアスホール」に入り、
いわて生協さんの炊き出しのお手伝いをしながら、
タオル帽子を避難所の方たちに配布しました。(写真)
患者さんと特定せず、どなたでもどうぞ、と配布したところ、
たくさんの方が笑顔で帽子を選んで下さり、問わず語りに、
「自分も患者です」とか「私も家族を看取りました」など
自分の思いを語ってくれて、この活動が少しでも被災者の方々のお役にたてるのでは、
という手ごたえを感じることができました。
私たちホスピスの会では今後、救援・復興に、会として出来ることからサポートしていきたいと考え、
被災地から物資の不足はもとよりお年寄りをはじめかぶり物や帽子がほしいとの声が聞こえる中で、
「被災地へのタオル帽子配布事業」に取り組みます。
いまだ現地は混乱の中で医療、物資など物理的な不足もありますが、
被災された方々の精神的な喪失感や不安は募るばかりです。
会としてささやかなサポートではありますが
今後現地でのボランティア受け入れの態勢が整いましたら、
被災地へのタオル帽子配布をおこなうと共に
傾聴ボランティアにも取り組んでいきたいと考えています。
この企画への準備として、被災地へのタオル帽子製作を進めながら
帽子配送代金・ガソリン代など活動資金が大変不足しているため寄付金も募りたいと思います。
また、避難所にいるがん患者さんや、避難所から自宅に帰って療養しているがん患者さんを特定することは困難なので、
今回のように患者さんと特定せず、みなさんにタオル帽子を配布するなかで、
サポートを希望するがん患者さんの申し出があれば、
1.国立がん研究センターの転院希望者向けホットラインの紹介
2.日本緩和医療学会の被災者向け緩和ケア電話相談の紹介
3.東北がんネットワークの被災地のがん患者さんの抗がん剤治療やその支持療法を引き受ける病院リストの紹介
などもおこなって行きます。
以上のような傾聴、情報発信の活動を行う中で、被災されたがん患者さんのニーズを探り、
さらなるきめ細かなサポートにつなげて行ければと考えております。(川守田)
いわて生協さんの炊き出しのお手伝い(大船渡市・リアスホール)
報告2(2011.4.15)
東北関東大震災から一カ月が過ぎた4月10日、
岩手ホスピスの会は被災地の一つ陸前高田市の避難所・サンビレッジで
いわて生協さんの牛丼炊き出し750人分のお手伝いをしながら、
避難所の方たちにタオル帽子を配布しました。
本来は抗がん剤で脱毛した方のサポートのためのタオル帽子ですが、
前週の大船渡市では、患者さんと特定せず、どなたでもどうぞ、と配布したところ、
たくさんの方が 笑顔で帽子を選んで下さり、問わず語りに、「自分も患者です」とか
「私も家族を看取りました」など自分の思いを語ってくれて、
この活動が少しでも被災者の方々のお役にたてるのでは、という手ごたえを感じることができました。
二週目の陸前高田市でもタオル帽子は多くの方に好評で、
今出かけている夫や子供たちの分もいただいて良いですか、
1.国立がん研究センターの転院希望者向けホットラインの紹介http://www.ncc.go.jp/jp/information/hot_line.html
2.日本緩和医療学会の被災者向け緩和ケア電話相談の紹介http://www.jspm.ne.jp/
3.東北がんネットワークの被災地のがん患者さんの抗がん剤治療やその支持療法を引き受ける病院リストの紹介http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/cancernavi/news/201103/519076.html−などもおこなって行きます。
以上のような傾聴、情報発信の活動を行う中で、被災されたがん患者さんのニーズを探り、さらなるきめ細かなサポートにつなげて行ければと考えております。(川守田)
避難所でのコーヒーサービス(陸前高田市・サンビレッジ)
報告3(2011.4.24)
避難所でのコーヒーサービス(陸前高田市・第一中学校)
避難所の方たちと記念写真(陸前高田市第一中学校)
被災地サロン報告A
4月23日、陸前高田被災地サロンから サロンで使用しているコーヒー豆は、盛岡市の老舗のコーヒー専門店・自家焙煎で豆を売る「クラムボン」。 ホスピスの会では、いつもタオル帽子の作業などにボランティアさんへコーヒーを入れてあげるお気に入りの豆です。 今回も、マスターに被災地に行くんです。豆をひいて下さいと言うと、 美味しいコーヒーを被災地の人に飲んで頂きたいから前の日に来てほしいと言われた。 当日、自分も行きたいけど行けないから、一袋はプレゼントと手渡してくれた。 美味しいコーヒーにしないと・・・。気合がはいる。 パンは、40gのライ麦パン。特徴は、ミネラル、アミノ酸、食物繊維が豊富で砂糖や油脂は入っていない。 低カロリーで酸味があり噛みごたえがある。 心配なのは、避難所は高齢者が多く固めのライ麦パンは好まれないのではないかとも考える。 バターにジャムは食物繊維入りの医療用。コーヒーのおともはカルシウム入りの医療クッキー。 ・固くて味がなくあまりうまくないよ!ジャムをくれ。(60代男性 (良く噛んでいると味がありますよ〜) ・ひさしぶりに美味しいパンを食べました。いつも菓子パンばかりで、飽きていたところでした。 こんなパンが食べたかったんです。(40代女性) (また来週きますからね( 【失敗談】 被災地は沿岸地域に集中し、交通の大動脈の新幹線や高速道路からはどこから行くにも片道2時間はかかる。 各地から参加のボランティアへは、現地集合をお願いしている。 避難所に近づくと電話が鳴る。場所がわからない。ナビにあるはずの道がない。 目印は?壊れたローソンを右にはいります!ありません・・・。 被災地のがれき撤去は、ものすごスピードで進んでいます。 先週あった建物や目印は跡かたもありません。今後の活動にいかしましょう。 23日の陸前高田は、被災後はじめてまとまった雨となりました。 避難所は市内から離れた小高い丘にあり外の様子はいつもとかわりはありません。 しかし、被害の大きな沿岸地区へ向かうと海がとても近く見えました。それもそのはずです。 地震で地盤が70pほど陥没、大潮の時期、まとまった雨。車で進むと突然、池になり道がありません。 切り返して戻る所もありません。来た道をバックでもどるはめになりました。 見渡せば自衛隊の車が水しぶきをあげて走っているだけの場所でした・・・。 がれきの道には釘や金属がありタイヤがパンクするケースも少なくありません。 被災地での一般車両の走行には十分気をつけましょう。 午後のボランティア先になった、竹駒公民館避難所は、畳のお部屋が避難先で、 畳の上に布団をひて休める状態で穏やかな空気を感じました。 お休みのところすみませんがタオル帽子は如何ですか? タオルの帽子?どんな物?あらいいんじゃない! 部屋の隅で休んでいた70歳ぐらいの男性に避難所の女性の方が 「これおじちゃんに似合うかも?かぶってごらん」と声をかけた。 おじちゃんもその気になりあれこれと帽子を選び始めました。 おひとり2枚程度手に持ち、おじちゃんもひとつ緑色の帽子を手に取り「どうだ似合うかい?」と問いかけられた 「はい。お似合いです。よろしかったらご家族の分もどうぞ」と私が声をかけた。 少し表情が変わり「俺には家族はいないんだ・・・。」いけないと思った時には、 部屋が静まりかえるのを感じた。「すみません。よけいな事を言ってしまいました」 「大丈夫だ。皆同じだ。気にするな。ついでにもう一つ選んでいいかい?」 おじちゃんは赤い帽子を選びありがとうと笑顔をむけてくれた。 私の方が救われた。 他の皆さんは、家の片づけに出ている方々の分も選び、 たたまれた寝具の上に帽子がひとつづつ置かれました。また来週、来ますね。(吉島)
タオル帽子ににっこり(陸前高田市・第一中学校)
避難所の方たちと記念写真( (陸前高田市・第一中学校)
報告4(2011.5.1)
4月30日土曜日晴れのち曇りのち雨。ホスピスの会より8名参加して、再び陸前高田第一中学校体育館において避難所の方たちへのコーヒーサービスと一口パンの提供、そしてタオル帽子配布を行いました。
5月15日・日曜日 お天気晴【ボランティア参加者】 13名 【借上げ車】 【ボランティア訪問先】陸前高田市
>陸前高田第一中学校避難所(500名)日中、200名程度 竹駒地区仮設住宅(500名) 支援物資としてパンの依頼あり。
長部小学校避難所(300名)日中、120名程度 下矢作多目的研修センター避難所(500名)日中、100名程度。
【支援物資】 タオル帽子400個、タオル300枚、タオルマフラー50枚 コーヒー500杯分、チーズ400個、味付き玉子100個、ミニパン200個
生卵900個・カップ麺200個・調味料(避難所賄いから依頼あり持参) 陸前高田第一中学校避難所
今回で4回めの訪問となった第一中学校。ここでは普段の炊き出しは避難所の人で運営されており、
食材や調味料に困っていると聞いていたので、生卵やサラダのドレッシングを避難所給食へ持参しました。
「ボランティアさんの訪問は一回きりがほとんど。4回も来てくれてありがたいです」
と避難所の方たちが訪れるたびに少しずつ心を開いてくれていることを実感しています。
お一人お一人に丁寧に声かけしてコーヒーやパンを薦めるとたくさんの方が立ち止まってくれました。
私たちにできることはわずかですが、 これからも継続してドリップコーヒーやパン、チーズなど心をこめてお渡しして行きたいと考えています。(代表・川守田)
長部小学校避難所の様子 陸前高田市内の南沿岸部に位置する広田町・長部地区は、
海沿い一帯に水産加工場を持ち津波で魚を保存していた大型冷凍庫が壊滅し、
サンマやサバなどが近隣の民家・学校・避難所に散乱し悪臭をはなしている。
高田市内でもひどい場所だと言われ、被災者が多く避難所にも入りきれなく劣悪な状態での生活、
入りきれない人は遠方の避難所に移動している。 今まで、他の避難所から、ボランティアは、長部に行ってやってくれと言われ何度も申し入れをきましたが、
「ボランティアを受け入れるスペースがありません」と断り続けられていました。
今回は、外でもいいです。何も準備は要りませんしご迷惑をかけませんからと押し切って伺える事になった。
長部小学校の避難所に行くまでの道が怖かった・・・。 道路がないので車が通るのは堤防の上。堤防の横は海?川?とにかく押し寄せる水。
所々が壊れ落ちていてガタガタ走る。ハンドルを握る手に思わず汗をかきました。
ひと山越え、長部に近づくと魚の悪臭がする。イカのフワタを煮た中にいるようだ。
「これでも片付いた方です」。壊れた民家や瓦礫に入り込んだ魚は取りきれず日に日に悪臭が強くなっていると言う。
避難所の本部管理には、県職員の方が3日間の程度の交替で配属、市職員の方など組織の違う方が配置され対応していました。
避難所には男性の方も多く、コーヒーとゆで卵・チーズでひと休み。 他の人にも「休め休め。うまいコーヒーが来ているぞ!」「チーズにはワインだベ!」
など外の土手に腰かけ明るい表情で話しかけてくれる。 晴れてはいたが突風が吹きつける中でのサービスは、舞い上がる土ほこりとの格闘。
タオル帽子は物珍しく手に取り持ち帰る方々、タオルはあっと言う間になくなった。
タオル帽子をもらいにきていた70代の女性の息子さんらしき方が彼女を迎えにきた様子で、
「何している。恥ずかしいべ。いいかげんにしろ。」などきつい言葉をかけていた。
物もらいをしているような母の様子に少しイライラしているようでした。 息子さんに「コーヒーはいかがですか?私たちがタオルで作った帽子なんです。ゆっくり見てください。」
と声をかけると、都合が悪そうに苦笑いをしてコーヒーを受け取ってくれた。
皆さん避難生活に少し疲れてきている様子が伺えました。 帰り際に、本部の方に、「長部の避難所は、卵や調味料は足りていますか?」と伺ってみました。
「ここは、食料物資は十分足りています。他に回してあげてください」との答えでした。
避難所により、必要としている物にバラつきがあること。 ここまで毎週末、訪問しているがそのつど瓦礫の撤去作業をはじめ、
仮設への入居、避難所の様子などものすごいスピードで進んでいるのを感じます。(事務局長・吉島美樹子)
報告7
岩手ホスピスの会被災地サロン報告
「全国から私たちの活動に共感し、さまざまな形で支援をいただいております。
支援くださる皆様に、被災者とともに、深く・深く・・感謝いたします。」
6月4日(土曜日) 10時〜16時
場所:陸前高田市
「広田小学校避難所」・「仮設住宅」(100名)→「対策本部」→「長部小学校避難所」 「仮設住宅」(100名)→「災害ボランティアセンター」
内容:コーヒー・チーズ・せんべい・菓子・タオル帽子200個・バスタオル類300枚
ウエットティッシュ類・Tシャツ300枚・うちわ・小袋
対象人数:200名
ボランティア参加者:7名
【ボランティアの様子】
避難所から仮設住宅へ移られている方が多くなりました。
今回は、仮設にも声をかけ配布。今までとは様子がかわり、もらえる物は何でも、いくつでもほしいと言う感じで一気に集まり
大量に持っていきます。最後の方には、残らない状態で今後の配布方法が課題となりました。
コーヒーをもらいに出てきた方々が「しばらく会わなかったね」などの会話から交流が少なくなっている事を感じました。
仮設には集会所などはなく、対策本部も関わらないので今後、ボランティアの訪問やサービスが難しくなるような状況と環境です。
報告8
<6月12日(日曜日)お天気 曇り 10時〜16時
場所:「大槌高等学校避難所200名」→「赤浜小学校避難所80名」→「グループホーム城山の杜」
内容:コーヒーサービス チーズ・味付きゆで卵配布 タオル帽子・タオル配布 おしりふき、ウエットティッシュ配布
対象人数:280名 ボランティア参加者:11名 借り上げ車 4台
これまでの避難所訪問ではタオル帽子配布やコーヒーサービスは避難所の外か避難所の廊下で行いましたが、
今回は避難所内でみなさんが寝起きする場所の間近で行うことになり、初めは戸惑いました。
タオル帽子やバスタオル、フェイスタオルは大好評であっという間になくなりました。
おしりふきやウエットティッシュもすぐになくなりました。
避難所の担当の方にお話を聞いたところ、夏物衣類(Tシャツ、ポロシャツ)が不足している、
「枚数が少ないと、けんかになるしまつです」と本部担当者は嘆きます。
調理場の方たちに聞いたところ、除菌用アルコール(食品添加用)が不足しているとのことでした。
後日盛岡で県の被災地支援物資保管所に聞いたところ夏物衣類のストックはないということでした。
除菌用アルコールは県の栄養士会に問い合わせ中です。
避難所の運営自体は、食事やお風呂などみなさんが連携を取り動いている様子を感じました。
A大槌町・赤浜小学校避難所
目の前に海が迫る赤浜小学校。
避難所には20〜30人くらいしかいらっしゃいませんでしたが、
タオルやタオル帽子にたくさんの方が集まって気に入ったものを選んでいただきました。
3.大槌町・グループホーム城山の杜
高齢者向けグループホームに支援物資としていただいたウエットティッシュやおしりふきを持参し、
お年寄りの方たちにタオル帽子を選んでいただきました。
報告9
岩手ホスピスの会 被災地サロン
6月18日(土曜日)10〜15時 場所:大槌町・釜石市
「大槌高校避難所」「仮設住宅」(200名)→「釜石市旧第一中学校避難所」(80名)
→「釜石高校避難所」(50名)→「釜石市立甲子中学校・小学校避難所」(100名)
内容:コーヒー・チーズ・菓子・タオル帽子200個・バスタオル類300枚 ウエットティッシュ類・
うちわ・小袋・生花300束
対象人数:300名
【ボランティアの様子】 100ヶ日にあたる今日。生花を準備して訪問しました。
大槌では午後から、合同慰霊祭が予定されており普段は出かける若い方々が沢山、避難所にいました。
先週同様、物資の取り合い。特にも手に入りにくい生花、また節目の日となり
「早く花ちょうだい」「いくつもらえるの?」催促の連呼。お花を配布するのが困難な状況を感じ本部担当者と協議。
本部からマイクで配布方法とルールを守って頂けるようお願いし、列になって頂き手渡しで無事配布出来ました。
お金がほしいわけではありませんが、配布物資の有料化を検討。
10円でもいいから販売することで今それが必要か考えて頂くきっかけにならないか提案。
しかし、避難所内での金銭の取り扱いは難しいことから本部との協議・検討が重点課題となりました。
避難所の炊き出しの方へ「お花はもらいましたか?」と声をかけた。
「ハイ頂きました。ホスピスさん?以前、友人にタオル帽子私も作って頂いたの!」
(患者さん?)「どうしてタオル帽子?治療で必要でした?」
「私がん患者なんです。1月に手術、抗がん剤使ったけれど髪は大丈夫でした。 でも、足の浮腫がひどくてボンレスハムみたい。」
リンパ浮腫外来を知らないと言うので県内の情報を調べて後日お知らせし受診をすすめました。
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